愛犬のためにセーターを編んであげたいな・・・と思うものの、編み物なんてほとんど経験がなくて自信が無い、という人にこそ、「むしろ犬用のセーターは編み物入門編として最高だよ!」と言いたい理由を書いてみました。
初心者におすすめの理由
入門編にピッタリ!
必要な毛糸の量が少ない
犬種にもよりますが、小型犬や中型犬用のセーターなら、毛糸は2~3玉程度で一着が作れてしまいます。人間用のセーターなら10玉以上は必要になるので、それに比べればかなりの低予算で始めることができます。
短期間で編める
編み物を始めてみたものの、いつの間にか季節が変わり始めてる…なんて経験があります。
セーターの場合、前身ごろ、後ろ見頃、右袖、左袖、という具合に、4つの部位を編むことになります。これをゼロの状態から編み上げようとすると、それぞれの部位が意外と「大きい」ことに驚きます。
ひとつの部位でさえ大変なのに4か所も編むなんて、先が見えなすぎてぶん投げたくなる…というのが『初心者あるある』です。
その点、わんこサイズは小さいですし、袖のないタイプでも十分かわいいものができます。
わんこ用のセーターは、お腹側が前身ごろ、背中側が後ろ身ごろになります。
下画像のボーダー柄セーターは余った毛糸を使って編んだものですが、わかりやすいので参考写真にしてみました。
無地部分が前身ごろで、裾の幅は15㎝程度です。上に進むにしたがって細くなるので、ほんとうに短時間で編むことができます。
後ろ身ごろには編み込みなどなくて、ひたすら基本のメリヤス編みをしているだけですが、毛糸の色に助けられて、それなりに可愛いセーターになってしまいます。
どちらかというと、身頃を合わせる、襟を編む、という仕上げ作業のほうが初心者には面倒かもしれません。
それでも、全体的な編む量が人間用身ごろの1枚分にも満たない大きさなので、せいぜい1週間・・・いや、大目に見ても2週間もあれば完成できるかと思います。
慣れれば1日でも編めちゃいます。←いやこれ、ホント。
多少の失敗は誤魔化せる
編み目が揃ってないとか、凝った編み込みになってないとか、最初は「どーでもいい」ことです。
サイズがちょっと小さいかな?大きいかな?というのも、伸縮性のある毛糸のおかげで案外誤魔かせてしまうし、どうしても気に入らなければ編み直せばいいことです。
そんなことより、とにかく1着を完成させてみることが大事です。
「失敗したかな~」と思ったものでも、目の前の一流モデルのおかげで(←親ばか)、着せた途端に「かぁ~わぁ~い~いぃ~!!!!」と叫んでいることでしょう。
成功体験は次へのステップ
初めて編み物に挑戦する人が、最初の作品に人間用のセーターを編み始めるのはリスキーなんじゃないかと思います。完成までの道のりが長い、長い…。
第一ステップとしてはマフラーを編むのが一般的ですが、実用度で言えば、わんこ用セーターのほうが「作って良かった」感が強い気がします。
確かに真っすぐ編むだけのマフラーに比べれば、目数を減らしたり、身頃を合体させたり、襟を作ったりする作業が加わるので面倒と言えば面倒ですが、棒針編みの基本が詰まっているので、サイズ的にも小さな作品で、一度は完成まで漕ぎつけることが大事なんじゃないかなぁ~と思います。
まずは最初の1着を完成させることを目標に始めてみてください。
「出来たー!!」 という達成感は、なにものにも代えがたいものです。
そこではじめて色んなことがわかります。
どんなに編み図の通りに作っても、犬種や個体差のせいで、どこかしら不満があるものです。
自分の技量にガッカリしたり、意外とイケル!と満足したり・・・
でも、とにかく1着でも完成させた!という成功体験は、新しい気持ちを芽生えさせます。
次は もっと上手に作りたい! とか、
次は 違う色で作りたい! とか、
次はもう少し 凝ったものに挑戦したいっ!!!
などなど。
そこに短期間で作れるというメリットも加わり、繰り返し作ることで少しずつ上達していきます。
ひと冬でセーター1枚を編むのでもヒーヒー言ってるような人でも(←私でした)、わんこ用サイズのセーターなら2、3枚は行けちゃうと思います。
毛糸選びも楽しくなるし、作る喜びも味わえるし、目の前の愛犬は可愛いし…。
すると、最初は犬用セーターさえ作れればいいと思っていた気持ちが、次は家族用に…、その次は自分用に…と、新しい作品作りへと、どんどん意欲がわいてくると思いますョ。
気づくと、冬が近づくのが楽しみになっています。
こんな感じで、手編みの面白さを知る入り口として、犬用のセーターは最適だと思うのです。
棒針編み と かぎ針編み
手編みの場合、棒針編みとかぎ針編みがあります。参考にする書籍にもよりますが、セーターの場合は圧倒的に棒針で編む作品が多いというのが実感です。
棒針は、毛糸の太さによって使用する号数(太さ)が異なります。作る作品ごとに買い揃えるのでも構いませんが、ちょこちょこと増やしていると、案外高くついてしまいます。
この先も編み物を続けていくつもりなら、収納用の専用カバーの中に、主要な号数針と、必要な小物が揃っているセットを買ったほうが、準備の手間も省けるし、意外と安くついたりします。
実は、私はかぎ針編みが好きです。
ふんわりした編みあがりのセーターなら棒針のほうが向いてると思いますが、小物類を作る場合はかぎ針のほうが小回りがきくと思ってます。
私が小学生の時に母から初めて編み物を教わった時、まずはかぎ針でマフラーを編みました。
教えてくれた母ですらそれほど詳しいわけではなかったので、教わったのはコマ編みや長編みという、ホントーに基本的な編み方だけでした。
そのせいで、かぎ針はそれしかできないと思い込んでいて、初めてかぎ針用の複雑な編み図を見た時は、眩暈がするほど難解なものに見えました。
ただ、作ってみたいと思える作品に出合って本格的にかぎ針を始めてみると、かわいい編み模様が、意外と簡単に編めることを知って、楽しくなってしまいました。
気づいたら、本が無くても愛犬用の帽子を編める程度にはなっていました。
手編みセーターの見本の中には、メインの部位は棒針編みでも、仕上げの部分でかぎ針を使う作品もあるので、最終的には棒針とかぎ針の両方が使えるようになるのがいいと思ってます。
犬用セーターの 編み図 や 作り方 の本
編み図や手順をじっくり見ることができる書籍を、1冊は手元に置いておいたほうが安心です。写真集的な感覚で、見ているだけでも楽しいものです。
編み方の基本
編み方の基本から学びたい場合は、基礎知識を網羅した本がおすすめです。
編み方の基本動画
本の説明だと編み方がわからない…という方には、毛糸販売のショップサイトで動画をアップしているところもあるので、そうした動画を参考にしてみるといいと思います。
『毛糸ピエロ』では、棒針と糸の持ち方から編み方まで、様々な動画が配信されていてとっても便利です。
毛糸はどこで買う?
昔は、地域ごとに小さな手芸店があったり、ショッピング施設の中にも手芸を扱うコーナーがありましたが、最近では見なくなりましたね。
むしろ100均コーナーに手編みグッズや毛糸が並んでいます。
品質にこだわるなら、ユザワヤやオカダヤなどの手芸専門店が一番ですが、実店舗となると場所が限られます。
結局、今はネットで購入するばかりになってしまいました。上記ユザワヤとオカダヤも、楽天市場に出店しているくらいです。
最初は毛糸をネットで購入することに抵抗があったものの、ハマナカやオリムパス、ダルマといった昔ながらのメーカーから販売されている定番の毛糸なら、よほどのことが無い限り問題ありません。
編み物の本なら使用毛糸が書かれているので、同じものを探すこともできます。
価格差を比較したり、欲しい毛糸を探しまわって店舗をハシゴするより、部屋の中で完結することに慣れてしまうと、かえって通販のほうが楽チンに思えるようになりました。
私がよく利用しているのは次の販売店です。
アレルギー持ちの愛犬には、できるだけ天然素材であることを心掛け、冬用セーターはウール100%の毛糸を探しました。
ネットなら、条件を入れて検索することも簡単なので、そうした意味でもお勧めです。