「犬を飼うと旅行に行けなくなる」という感覚、わかります。犬を飼う前に二の足を踏む理由でもありますよね。預けるか一緒に連れて行くという方法もありますが、どちらにしても可哀想な気がします。
だから、私たちは犬がいる間は旅行は諦めようと、それも覚悟して飼い始めたのですが…。
そんな我が家が、いつの間にか愛犬と一緒に旅行を繰り返すようになった経緯をご紹介します。
犬連れ旅のきっかけ
きっかけは、友人のひと言でした。
うちの子は1歳を迎えるころには皮膚にトラブルを抱え、かなりひどい状態になっていました。それでもなんとか持ち返してきた頃、友人家族が犬を連れて温泉に行ったという話を聞きました。
知る人ぞ知る草津温泉の大東館は、ペット同伴のできる温泉宿として話題になることが多く、私でも聞いたことがある宿でした。そこにはペット専用の温泉まであって、同室宿泊ができます。
犬を連れて旅行…ということに不安もあったし、皮膚トラブルもあるし…と戸惑っている私に、「皮膚トラブルがあるから温泉なんじゃ~ん♪」とあっけらかんと言い放った友人のひと言に、「おぉ!」と目から鱗が落ちました。
少しでもカイカイから解放してあげたいと思って試行錯誤する中で、獣医さんから渡された温泉成分の入浴剤も使っていたので、本当の温泉ならもっと効果があるんじゃないのか?という期待も湧いてきました。
すぐにペット用温泉のある宿を調べ始めて見つけたのが、羽鳥湖にある羽鳥湖高原 レジーナの森でした。(現在はエンゼルフォレスト白河高原と名前が変わっています。)
ここは、広大な敷地内に愛犬と楽しめる施設が用意されているので、犬連れウェルカムな雰囲気が満載でした。そのうえ犬専用のスパまであります。
このスパなら個別に入ることができるので、大東館よりもうちには向いてると思いました。
調べれば調べるほど、行かないという選択肢がありませんでした。
この時の旅行で、愛犬が想像以上に楽しそうにしていたのが印象的でした。
それまでは「人間の都合で犬を連れ回すのは可哀想」と思っていましたが、現実には、車に乗った瞬間からワクワクしてるし、いつもと違う旅先での環境を楽しんでいる様子が手に取るようにわかりました。
そんな愛犬の姿を見ているだけで、こちらもシアワセな気分になります。
こればかりは犬の性格にもよるでしょうが、うちの子の場合は人と車が好きだったことが幸いし、まずは行ってよかったと思いました。
それからしばらくして、もうひとつきっかけになる出来事がありました。それは、身近な人とのお別れでした。
元気だと思っていた人が突然旅立ってしまうという体験は、「出来ないと思い込んで何もしなければ、結局なにも残らないな…」という思いに繋がりました。
それは、自分たちと愛犬との間でも同じことで、もっと濃密な愛犬との想い出を残したいと、深く深く思うようになりました。
旅のルール
一度目の旅行は犬用温泉が目的でしたが、次からの旅行は犬と楽しむ旅行を計画するようになりました。
そして旅を始めるにあたり、いくつかのルールを決めました。
- 長距離移動は2時間弱を目安にする。
- 犬と同室で宿泊できる施設を利用する。
- 事前に犬を同伴できる観光施設やレストランを調べてから出かける。
- なるべく平日を利用し、人混みを避ける。
- 夏場(暑い時期)の旅行はしない。
- 犬だけを残した車での留守番はさせない。
あとから増えたものとか、ちょっと失念してるものもあるかもですが、大体こんな感じです。
なんといっても「お犬様を楽しませる」ことが優先で、お犬様に不便させないことが大事なミッションでもありました。
むしろ、こうした考え方がきっかけとなり、旅の目的地選びにも変化が生まれました。
犬本位の計画を制限と感じるかは人それぞれですが、少なくとも私たちは、人間だけではしなかったことをするようになり、行かなかった場所に行き、一緒だからこそ楽しめることをする、という新しい旅の形ができあがり、存分に楽しむことができました。
旅行に犬を連れて行くのは可哀想なのか?
正直な話、ブヒを飼うまでは人間の都合で振り回すようで、旅行に犬を連れて行くのは可哀想じゃないかな?と思ってました。
でも、常に寝食を共にする暮らし方に変わり、昔以上にペットは家族同然という思いが強くなると、子供ひとりを残して留守番させるか?と同じ話になります。
あきらかに、答えは「NO!」です。
あとは犬の性格も影響しますね。
うちのブヒの場合は人が大好きで、好意的な人を見つけると「触って!」「構って!」と大騒ぎするような子でした。
社交的で、トリミングなどで半日預ける程度なら全然平気な子でも、法事で3日ほど預けた時は、捨てられた子のような姿と表情で戻ってきて胸が締め付けられました。
預ける or 連れていく かでどっちが可哀想か?というのは、うちの子に限って言えば、預けるほうが可哀想だと判断しました。
こうした犬の性格は一緒に暮らす家族にしかわからないので、正解はそれぞれだと思います。
ただ、怖がりな犬にストレスをかけたくないという思いがあっても、犬は経験を積むことで慣れていくのも確かなので、飼い主さんの心がけ次第で変化していくこともあると思います。
考えようによっては、新しい環境への対応力が高いことは、災害への備えにもなると思います。心配だからやらせないより、心配だからこそ慣れさせておくという考え方も、アリなのではないでしょうか?
そもそも旅行を我慢するべきだ、という考え方もあるのは承知ですが、昔と今ではかなり状況が変わってきていると思います。
子供の数よりペットの数が上回っていると言われる昨今、観光地でのペット受け入れへの考え方が大きく変化しているように感じます。
というのも、ペット同伴で受け入れることを前提にした施設が増えていて、同伴旅行のハードルを下げてくれています。
旅先では犬がいることで制限を受ける場所があるのも確かですが、逆に言えば犬がいなければ立ち寄らなかった場所に行くことが増え、それまでの旅行とはひと味違う楽しみ方ができます。
旅行にいくなら愛犬も一緒。というか、愛犬と一緒に楽しむための旅行。
旅行の目的を方向転換して、可哀想な思いをさせることのないよう犬重視の旅行計画を立てれば、人も犬も楽しめる旅行は十分可能だと思います。

みんなで行こうよ!
愛犬と「遊び&宿泊」が楽しめる施設
遊びと宿泊を同時に楽しめる施設が増えています。
旅行に行きたいけど不安だという場合、まずはそうした \ワンコ大歓迎/ の施設を利用してみるといいと思います。
エンゼルフォレスト白河高原(旧:エンゼルフォレスト那須白河)
那須白河の大自然の中で、思いっきり愛犬と楽しめる施設です。
小谷流の里 ドギーズアイランド
千葉県にあるドッグリゾート&ヴィラです。